推したい短歌2021

結果発表

推したい短歌とは

Twitterから万葉集まで「今年こころに残った短歌」を記録するweb企画です。

前回2020年の「推したい短歌」は1年間に発表された歌に限定しておりましたが、もっとたくさん良い歌を知りたいと思いノミネート対象を全ての短歌に変更しました。


今年もたくさんの推薦をいただきありがとうございました🙇‍

🎉 総数 136

(見やすくするための番号を各歌につけています)

#1

朝霧を深く吸い込む 嘘を吐く喉が凍ればいいと思った


/ 常盤ななせ  2019年11月15日 Twitter 連作「nineteen」

https://twitter.com/nanase1313


推薦した人: https://twitter.com/abggg_d



#2

三人にわかってもらえばいいと思うその三人にあなたは入る


/ 大松達知  総合誌「歌壇」2021年11月号

https://twitter.com/omatsuta


推薦した人: https://twitter.com/2xylocaine

コメント: 優しさと力強さがいい塩梅で共存した歌だと思いました。



#3

海に行くときの気持ちを取っといて海に行くとき以外に使う


/ あの井  歌集『マカデミアナッツ』(書房 短(あの井)、2021年)

https://twitter.com/__anoi__


推薦した人: https://twitter.com/xi_zhen_ivUT

コメント: 構造的にはイメージ先行の歌でありながら、共感を痛いほどはらんだ一首だと思う。凄い



#4

本当になんでもなんでもバスケット生きるのつらい人は走って


/ あの井  歌集『マカデミアナッツ』(書房 短(あの井)、2021年)

https://twitter.com/__anoi__


推薦した人: https://twitter.com/5.74ft

コメント: 生きるつらさというのはなかなか共有できるものではありません。しかし「なんでもバスケット」でそのつらさをお題にすることで、そう思ってるのは自分だけではないのだと気づくことができるのかなと思います。「走って」で終わるため強い口調の歌のようにもみえますが、どこかやさしさを感じられる歌でとても好きな一首です。



#5

きみに無い臓器を持つこと悲しくて発火しそうな無花果を買う


/ 櫻井朋子  歌集『ねむりたりない』(書肆侃侃房、2021年)

https://twitter.com/Tomoko_s0212


推薦した人: https://twitter.com/enomotoyumi1007



#6

海老天がはみ出している印象を強めるために乗せられたふた


/ 鈴木ジェロニモ  第50回短歌部カプカプのたんたか短歌「自由詠」

https://twitter.com/suzukigeno


推薦した人: https://twitter.com/wakuwakuiwaku

コメント: 今年も数多く拝読した鈴木さんの名作の中でもこちらを。毎回視点の面白さに感動しています。



#7

はつ雪と同じ目線で落ちてゆくGoogleマップを拡大させれば


/ toron*  2021年11月29日 読売歌壇 俵万智選

https://twitter.com/toron0503


推薦した人: https://twitter.com/2xylocaine



#8

手のひらでライターの火を護るとき照らされるわたしのカルデラ湖


/ toron*  2021年11月21日東京新聞 東京歌壇 東直子特選一席

https://twitter.com/toron0503


推薦した人: https://twitter.com/tankanosio

コメント: 煙草に火を点けるシーンと読みました。ライターの火を湖に、しかもこんなにも美しく喩えるセンスに脱帽です。正反対のイメージの言葉で喩えるのは、チャレンジこそし得るものの、ピッタリと美しく完成させるのは難しいと思います。拝見したとき、さすが、という言葉しか出ませんでした。



#9

相槌がちょっと遅れるひとだから月と地球のように暮らせり


/ toron*  2021年11月13日うたの日 題『相』

https://twitter.com/toron0503


推薦した人: https://twitter.com/InAn_erotica

コメント: 実際に同じような事を感じる人がいますが、それをこんな風に表現できたらもっと楽しくて優しい気持ちになれる気がして…素敵です。



#10

種なしの葡萄を選ぶおだやかに滅びに向かう国の市場で


/ toron*  2021年1月11日 うたの日 題「無」http://utanohi.everyday.jp/open.php?no=2478f&id=37

https://twitter.com/toron0503


推薦した人: https://twitter.com/xi_zhen_ivUT

コメント: 韻律、景、メタファー、社会性、全て持っている歌、という印象。



#11

アルフォート 海を静かに噛みしめる少し言葉を使いすぎたね


/ toron*  2018年11月4日 うたの日 題 「静」http://utanohi.everyday.jp/open.php?no=1679e&id=23

https://twitter.com/toron0503


推薦した人: https://twitter.com/nalda_aa



#12

夜の沼岸にわれなど立たせつつ秋は長考をまた繰り返す


/ 廣野翔一  総合誌『角川短歌』2021年11月号「沼と秋の長考」

https://twitter.com/spiralroom


推薦した人: https://twitter.com/tonitaichiro

コメント: おそらくは自分のあまりに長い長考に、ふと我に返る瞬間があり、今自分が沼の畔で考え事をしていたことを把握する。その刹那、自分を包んでいた秋は意志をもって「われ」を沼のほとりに立たせ、「われ」と同化してまた長い考え事に耽る。そのようにして自分から拡張していく世界の捉え方と、それを短歌として再構築した世界観が自然な感覚として受け取れました。



#13

投げられた言葉はとうに沈んでも波紋がずっと消えないでいる


/ あきやま  2021年11月02日 うたの日 題『 紋 』

https://twitter.com/kiyama_Co


推薦した人: https://twitter.com/InAn_erotica

コメント: 同じ波紋なら優しい波紋、考えさせられる波紋、鼓舞される波紋…いい波紋に触れていたいし残したいな、と願わされた大好きな一首です。



#14

ふたたたたっと夕立は過ぎそれからの匂い?んー、オオカミになれそう笑


/ アナコンダにひき  「覆面短歌倶楽部 其の参」より

https://twitter.com/two_anacondas


推薦した人: https://twitter.com/abggg_d



#15

あんまんをはじめて食べる あんまんをはじめて食べることはもうない


/ うえだ  2021年02月11日 うたの日 題「自由詠」

https://twitter.com/


推薦した人: https://twitter.com/kitoma_grzr14



#16

そこにあるだけでうれしい国道のこれから先も寄らないガスト


/ うゆに  同人誌「ジョナタン vol.1」

https://twitter.com/uyuni_tan


推薦した人: https://twitter.com/_kco____

コメント: 国道沿いに灯台のように佇むガスト。いつもの外観が目に入った時は嬉しくてホッとするけれど、これから先もわざわざ寄ることはないという少し冷めた視点での着地が心地よく、同じ感覚のこれから先も寄らないスーパーが自分にもあるので共感の嵐でした。大好きです。



#17

百均で買ったおもちゃのハーモニカ越しに吸い込む冬はレと鳴る


/ おーにそぷ太郎  『 ハーモニカ』 うたの日 http://utanohi.everyday.jp/open.php?no=2435c&id=9

https://twitter.com/


推薦した人: https://twitter.com/xHksbNR4wv1wj8M



#18

人生はずっと地続き税金を払ったレジでハロハロを買う


/ おもち  うたの日 2021年7月31日「好きなコンビニスイーツ」 http://utanohi.everyday.jp/open.php?no=2679d#d20210731027

https://twitter.com/


推薦した人: https://twitter.com/5.74ft

コメント: 主体の人生を通して、コンビニでの税金の支払いとスイーツのハロハロという接点のないものがつながりのあるもののように詠まれていて意表を突かれました。「人生」や「税金」という固い印象から始まり、結句に「ハロハロ」というソフトなものが出てくるのもおもしろい一首です。



#19

金の蟹でも銀の蟹でもありません俺が落としたのは美味の蟹


/ Re:Makita  第64回短歌部カプカプのたんたか短歌 題「蟹」

https://twitter.com/CHONO5


推薦した人: https://twitter.com/wakuwakuiwaku

コメント: 蟹のことを考えるたびに思い浮かぶ強烈な共感性がありました。今年一番脳内再生した作品のひとつです。



#20

雪だるまわづかに右へ傾いてあゝそちらから春は来ますか


/ カザナギ  2021年02月04日 うたの日 題「雪だるま」

https://twitter.com/kazanagistreet


推薦した人: https://twitter.com/ume_dori

コメント: 雪だるまが傾くことをマイナスと捉えるのではなく、傾いた方から春が来ていると感じる感覚が素敵だと思う。



#21

この赤いポストは透明だったいまきみに手紙を出そうとするまで


/ カラスノ  作者のTwitterプロフィール

https://twitter.com/karasunosan


推薦した人: https://twitter.com/tankanosio

コメント: 短歌に全く触れていない時期に、タイムラインに流れてきたこの短歌を読んで、衝撃を受けました。気にも止めずに通り過ぎていたポストは、誰かに言葉を届けるためのもの。この歌で自分も短歌を始めました。



#22

ありあまるハロー・グッバイぼくたちの別れも春が希釈してゆく


/ カラスノ  2021/2/26 うたの日『希』

https://twitter.com/karasunosan


推薦した人: https://twitter.com/onborn6



#23

アンパンマンマーチのリズムで胸を押す何のために生まれて何の


/ さ は ら や  twitter https://twitter.com/38ra88/status/1409147513374789632

https://twitter.com/38ra88


推薦した人: https://twitter.com/nogawatomoki

コメント: アンパンマンを読み込んだ歌はたくさんありますが、ほとんどはイメージをずらすことでちょっとクスっとさせたり、幼児向けキャラクターとして知られた側面を生かしたものです。この歌も皆が知っている歌詞の切り口を変えるテクニックの延長なのですが、何かそれを超えた切実さを感じました。生と死の境というシチュエーションがアニメのイメージとのギャップで際立ち、そして歌の途中でぶつっと切ることで「ある瞬間」が切り取られています。おそらくこの歌はtwitterに投稿されて、たまたま目に触れた人にしか読まれていない歌だと思うのですが、それはあまりにもったいなく選出しました。



#24

あゞ祖母はやさしい速度で花の名もわたしのことも日日忘れゆく


/ とますあきなす  2021年12月2日 うたの日 題「度」http://utanohi.everyday.jp/open.php?no=2803f&id=14

https://twitter.com/akazomewemon


推薦した人: https://twitter.com/withoutSSRI



#25

木枯らしのソロが聴こえる寂しい日さびしいと言えるつよさが欲しい


/ ナカムラロボ  2021年11月27日うたの日 題『 ソロ 』http://utanohi.everyday.jp/open.php?no=2798h&id=4

https://twitter.com/nakamurarobot


推薦した人: https://twitter.com/yuya_yuki_tanka

コメント: 冬の風の音だけが響くようで「寂しさ」が伝わってくるようだった。さびしいと言うのは弱さだろうか。その強さがあれば何かが変わるだろうか。もう充分強いよって声を掛けたくなる。



#26

コスモスの海にマッチを投げ入れて、想うだけなら許される日々


/ ナカムラロボ  2021年10月20日 うたの日 題「コスモス」 http://utanohi.everyday.jp/open.php?no=2760f&id=4

https://twitter.com/nakamurarobot


推薦した人: https://twitter.com/k_hayatsuki



#27

ばかだから、脈絡なんてなくたって会いたいんだよ。/さんざめけ、春。


/ ネネネ  2019年3月8日ネプリ「スプリングマジック」

https://twitter.com/neee__pp


推薦した人: https://twitter.com/gaze_miracle

コメント: 愛しい真っ直ぐなおもいが溢れてる。脈絡はないって言っちゃうのがいじらしくて、心に残ってる。



#28

琴電がことことゆくよ夕暮れを明日も優しい風が吹く街


/ マリーンズ応援隊  2021年11月25日 うたの日 題「好きな鉄道路線」

https://twitter.com/suikakinenbi


推薦した人: https://twitter.com/Tohakumutun5057

コメント: この日のうたの日の「好きな鉄道路線」の箱はどの歌も素敵で、選歌が楽しかったのですが、「こと」のリフレインのかわいさと、琴電の沿線ののんびり感と読後の爽やかさが心を癒してくれる、読んでいて心地いい歌です。生きていくって素敵だなと思える歌でした。



#29

愛されて生きてください 願うことすべての主語があなただったよ


/ れもんぜすた  短歌同人「ねこくるよ」2021年7月ねこ歌会

https://twitter.com/lemon65939


推薦した人: https://twitter.com/hicrown



#30

目の上にラメをのせてる人間は生き延びたいと思うでしょうよ


/ ワトゾウ  短歌同人誌『ねこくるよ No.1』

https://twitter.com/watozo_u


推薦した人: https://twitter.com/a__suuu



#31

あの人の恋を応援する 水をやり過ぎた花は枯れるらしいし


/ 宇野なずき  Twitter 2021年5月29日

https://twitter.com/unonazuki


推薦した人: https://twitter.com/comriyo

コメント: 片思いの時は愛おしくてどうしようもなかった恋も、成就した途端に腐ってしまいました。きっと愛を注ぎすぎたんだと思います。



#32

よれよれにジャケットがなるジャケットでジャケットでしないことをするから


/ 永井祐  歌集『広い世界と2や8や7』‎左右社 2020年12月18日発行

https://twitter.com/nagaiyu02


推薦した人: https://twitter.com/grp4grp

コメント: ジャケットでしないこと、ってなんだろう。私は夜のイメージをしてしまったけれど、ジャケットでしないことはたくさんあるから、読んだ人それぞれのジャケットでしないことを聞いてみたくなる。ジャケットの繰り返しが楽しくて口ずさんでしまう。



#33

十年前私に一人の妻がゐて私は彼女を引き止められなかった


/ 永田和宏  総合誌「角川短歌」2021年6月号


推薦した人: https://twitter.com/funifuniya



#34

ねえ三権、分立してる? ぼくは今日バイトが飛んでずっと寝てたよ


/ 遠藤健人  2021年短歌研究9月号 短歌研究新人賞次席「ふにふにだろう」

https://twitter.com/kento16g1


推薦した人: https://twitter.com/2nd_lightkeeper

コメント: 権力という大きなものに対して、こういう距離の取り方ができるのかと驚きました。呼びかけていながら反応を期待していないようで、でも黙っているほど諦めているわけでもなくて、この感じは身に覚えがあるような気がします。



#35

軍手にはピンクと黄色と青があり女性の数だけ置かれるピンク


/ 奥村知世  歌集『工場』(書肆侃侃房、2021年)

https://twitter.com/Leo_Tomoyo


推薦した人: https://twitter.com/ume_dori

コメント: 読んだときにハッとさせられた気付きの短歌。淡々と歌われているが「女性だから」という偏見を変えたいという想いが強く現れていると思う。



#36

ゆるしてたゆるされていた秋の日のレジャーシートの冷たい麦茶


/ 岡本真帆  本人twitter

https://twitter.com/mhpokmt


推薦した人: https://twitter.com/216709385

コメント: 秋から初夏にかけてよく家族でキャンプをしてます。コロナで去年も今年もキャンプは出来ず、家でBBQやプールをしていてました。12/04に釣り堀でマス釣りをしてきて、冷たいお茶が飲めなくて。そんな中でこの短歌を見たら、季節の移ろいを一緒に体感してくれたように思えて嬉しかったことが、推薦した理由です。



#37

ほんとうにあたしでいいの?ずぼらだし、傘もこんなにたくさんあるし


/ 岡本真帆  ネットプリント「毎月歌壇」2018年

https://twitter.com/mhpokmt


推薦した人: https://twitter.com/216709385

コメント: 岡本真帆さんを知ったきっかけの短歌です。百人一首が大好きなのですが、現代の短歌ってこんなに素敵なんだ!と思わせてくれたのがこの短歌。何がいいって、ありのままの、飾らない歌のあり方。私がズボラ人間で、夫が几帳面な人間で、私達夫婦にドンピシャに重なる歌で、私の気持ちを代弁してくれたような、そんな素敵な歌なんです。


推薦した人: https://twitter.com/HCCMONO

コメント: イメージしたときあまりにも可愛いので。わたし自身も傘を忘れたり失くしてビニール傘がこんなにたくさんある側ですが、そのことをこれ程までに可愛く短歌にはできないです。



#38

3、2、1、ぱちんでぜんぶ忘れるよって今のは説明だから泣くなよ


/ 岡本真帆  Twitter

https://twitter.com/mhpokmt


推薦した人: https://twitter.com/autumn_o_tcbn

コメント: 声に出した時の流れも、上の句下の句ともに「よ」で終わっていて柔らかい話し言葉なのも好きです。今のは説明だから、まだ全部忘れてない安心感と、でも説明の後には3.2.1.ぱちんできっとすべて忘れてしまうことには変わりない哀しみと、その乱高下する気持ちと距離のある淡々とした話し言葉での1首に強く惹かれました。



#39

題:7年お付き合いした男性に振られ、数ヶ月が経ったいまも忘れられず引きずっています。

なんとか前を向くために、救いとなる短歌をお願いします。


あなたの死ではなくあなたの恋の死をあなたの声で聞けてよかった


/ 木下龍也 歌集あなたのための短歌集』(ナナロク社、2021年)

https://twitter.com/mhpokmt


推薦した人: https://twitter.com/mai_520_



#40

冬の野にあなたひとりを座らせてどうしてなにもかも大丈夫


/ 海野いづれ  うたの日 2021年7月20日 題詠「野」 http://utanohi.everyday.jp/open.php?no=2668b&id=12

https://twitter.com/uminoidure


推薦した人: https://twitter.com/2nd_lightkeeper

コメント: 言葉がちぐはぐになるような危うさを抱えながら、それでも「あなた」を、どうにか大事にしようとしているふうに感じました。冬の野は寒いところで、それがうまくいっているかはわからないけれど、冬の痛いほどの寒さがこのうえなく似合う歌だと思います。



#41

海に来てすることがないそれだけで海が好きって思えてしまう


/ 街田青々  2021/07/21 うたの日 題「海」

https://twitter.com/


推薦した人: https://twitter.com/mnr_nimo

コメント: 海というモチーフは短歌でありふれていて、青春のような象徴と、優しさとともに詠み込まれていることが多いと思っているのですが、この歌ではそんな海に特別な意味を付与していないところが良いと思いました。



#42

霧雨に濡れて歩いた愛された記憶は傘を差したがるけど


/ 笠木拓  歌集『はるかカーテンコールまで』(港の人、2019)

https://twitter.com/


推薦した人: https://twitter.com/nakamurarobot



#43

疾風はうたごゑを攫(さら)ふきれぎれに さんた、ま、りぁ、りぁ、りぁ


/ 葛原妙子  歌集『朱霊』1970年

https://twitter.com/


推薦した人: 新出既出2020



#44

才能の片鱗かなと拾ったらビデオテープのツメだったよね


/ 岩倉曰  twitter

https://twitter.com/wakuwakuiwaku


推薦した人: https://twitter.com/enomotoyumi1007



#45

駐輪場のラックつめたし 捕らへられて引きまはされる狙撃手の肩


/ 魚村晋太郎  歌集『バックヤード』(書肆侃侃房、2021年)

https://twitter.com/uoshin1


推薦した人: https://twitter.com/WataruDeerMura

コメント: 急展開だけどノれる。ラックの軽く骨組みを掴んだ時の感覚が接着剤になっているのでは。



#46

児をひとり殺めし家の冷蔵庫もヴーンと鳴りしか夜半にヴーンと


/ 魚谷真梨子  総合誌「角川短歌」2021年11月号第67回角川短歌賞佳作『対岸』

https://twitter.com/midon1230


推薦した人: https://twitter.com/midiumdog

コメント: 角川短歌賞佳作魚谷真梨子さん「対岸」にぶちのめされて、選考座談会にお説教される(第67回角川短歌賞感想)|中型犬 https://note.com/midiumdog/n/n99d71cc497ee



#47

獲れすぎたキヤベツを潰す 生きものの頭を轢いたやうなしづけさ


/ 桐島あお  2021年9月28日 うたの日 題 「農」http://utanohi.everyday.jp/open.php?no=2738g&id=34

https://twitter.com/


推薦した人: https://twitter.com/nalda_aa



#48

はばからず泣いてをります噴水のそこひに溜まる銀貨のやうに


/ 近藤由宇  短歌同人月歩 GEPPO Vol.3

https://twitter.com/


推薦した人: https://twitter.com/kimura_tanka



#49

閉店のやさしい音楽が流れて、旅を勧めてくる雑誌を閉じる


/ 郡司和斗  『現代短歌』2021年9月号「Anthology of 60 Tanka Poets born after 1990」

https://twitter.com/gun_ji_wowowo


推薦した人: https://twitter.com/tonitaichiro

コメント: この歌を知ってから、たとえば閉店になるときの音楽だったり、立ち読みをしている時がトリガーとなってこの歌のことをおもいだし、考える。愛唱性の高い歌だとおもいます。短歌の定型の韻律からは少し外れつつも、読点をピークとした前後で一息に無理なく読める韻律が下支えして、ゆたかな抒情とともに忘れがたい歌になっているのだとおもいます。



#50

ハムカツをげんきに頼むハムカツをげんきに頼むわたしを頼む


/ 工藤玲音  歌集『水中で口笛』(左右社、2021年)

https://twitter.com/


推薦した人: https://twitter.com/kimura_tanka



#51

雨を涙に喩えることのあほらしさ 足を静かに砂浜へ刺す


/ 工藤玲音  歌集『水中で口笛』(左右社、2021年)

https://twitter.com/


推薦した人: https://twitter.com/nakamurarobot



#52

咽頭をぐいと拭った綿棒に百万人の死の炎(ほむら)見ゆ


/ 犬養楓  歌集『前線』(書肆侃侃房、2021年)

https://twitter.com/


推薦した人: https://twitter.com/gesshodo

コメント: 短歌が叙情の器としてのみではなく、現場で起きている事を的確に映し出す媒体としての可能性を持つ事を教えてくれた歌集でした。



#53

二軒目で箸の袋を折りながら語ったほうの夢がほんとう


/ 御殿山みなみ  歌集『モモモノローグ』

https://twitter.com/1ookat2


推薦した人: https://twitter.com/__anoi__

コメント: ほんとうにほんとうだな、とただ思いました。その指先を、目線を、表現できる繊細さが好きです。



#54

会えたから見落としていた「着いた」ってメールに今日があふれだす帰路


/ 御殿山みなみ  2018年9月18日 うたの日 題「着」http://utanohi.everyday.jp/open.php?no=1626d#d20180912023

https://twitter.com/1ookat2


推薦した人: https://twitter.com/36_q54

コメント: 2人で過ごした今日一日を一人思い出す、幸せと寂しさを伴うあの感覚が、「あふれだす」に鮮やかに表現されていて好きです。



#55

眠るため消した電気だ。悲しみを思い返して泣くためじゃない


/ 工藤吉生  歌集『世界で一番すばらしい俺』(短歌研究社、2020年)

https://twitter.com/mk7911


推薦した人: https://twitter.com/yuya_yuki_tanka

コメント: 私の中でお守りのようになっている一首。悲しいことを思い出して眠れないとき、この歌を子守唄のように繰り返す。好きすぎて言葉が出てこない。好きです。



#56

戦場に細川たかしの笑い声 ハッハッハッドカーンハッハッハッドカーン


/ 工藤吉生  歌集『世界で一番すばらしい俺』(短歌研究社、2020年)

https://twitter.com/mk7911


推薦した人: https://twitter.com/gesshodo

コメント: 一読後、爆笑しながら恐怖感にうちのめされました。



#57

Who am I? Why am I? と時々は電話をさらば、エヴァンゲリオン


/ 高田祥聖  2021年4月5日「読売歌壇」黒瀬選2席

https://twitter.com/


推薦した人: dog_muzzle

コメント: エヴァの世界とマッチした退廃的な雰囲気が素晴らしい。上の句の問いかけは、エヴァと共に過ごし、作品が人格構成に大きな影響を与えたのではないかと考えさせられる。手軽にアクセスできるネットのつながりではなく、相手からの電話を待ち望む様子も切ない。



#58

抱えきれない花を抱えて歩くからあらゆる道で見つけてほしい


/ 佐々岡矩実  うたの日 2021年10月10日「自由詠」 http://utanohi.everyday.jp/open.php?no=2750h#h20211010006

https://twitter.com/


推薦した人: https://twitter.com/5.74ft

コメント: 山盛りの花を抱えていろんな道を歩く主体を想像しましたが、その想像した景がとても不思議なものであるように感じました。何のために、誰のために、といった情報も出てこないためイメージが広がる歌です。この主体が人間として存在しているのかもわからないですが、それも含めて不思議で魅力的な一首です。



#59

海が喃語をわすれたころにやつてくるワイン・デカンタ・たのんだの・だれ


/ 佐原キオ  総合誌『現代短歌』2021年9月号「Anthology of 60 Tanka Poets born after 1990」

https://twitter.com/tenma_dalai


推薦した人: https://twitter.com/tonitaichiro

コメント: 酩酊している状態のとき、理性的であろうとすればするほど混乱していくさまを、中黒という短歌ではあまり目にすることのない約物を使い、視覚的にも的確に表現している。「海が喃語を」という初句7音で、ゆったりとした詩的な導入。そのあたかも詩的であるかのような酩酊状態を結句まで破綻させることなく、状況の解像度を上げていくために選択された表現に感銘を受けました。



#60

白紙に仮名ではづきとまづ書きて木の葉を染むる風を待つべし


/ 佐藤伊佐雄  結社誌「未来」2021年12月号

https://twitter.com/


推薦した人: https://twitter.com/mugitauros

コメント: これは辞世の歌と言っても良いのではないだろうか。佐藤さんにとって葉月すなわち八月は特別な意味を持つ月だった。



#61

風鈴を鳴らしつづける風鈴屋世界が海におおわれるまで


/ 佐藤弓生  歌集『世界が海におおわれるまで』(書肆侃侃房、2021年)

https://twitter.com/


推薦した人: https://twitter.com/two_anacondas

コメント: 私が歌作の指針にしている一首です。今年復刊が嬉しかったので改めて推しました。歌全体の切なさと風鈴屋のひたむきさがとても好きで、風鈴の音にラピュタを指す光のような、目的を与える天啓のような気配を感じます。



#62

これからも好きな人には好きと言う 進めば誰か待っているから


/ 佐藤真由美

https://twitter.com/


推薦した人: dog_muzzle

コメント: 好きな人に好きと言ってもその結果が必ずしも報われるわけではない。人だけではなく、ものや趣味も同じだろう。それに対して見返りを求めるのではなくただ好きと言い続ける旅をする。進むことをやめない。軽やかな歌の中に決意の表れを感じる、何度も読み返したくなる短歌。



#63

恨まれるこころづもりはできていて、でも窓辺から共に陽を見た


/ 榊原紘  歌集『悪友』(書肆侃侃房、2019年)

https://twitter.com/hiro_geist


推薦した人: https://twitter.com/2nd_lightkeeper

コメント: この歌がおさめられた歌集全体から伝わってくる、乾いた情がたまらなく好きです。陽光が目にしみる感覚が、言い切れない感情を補ってくれるように感じます。



#64

あなたがぼくを生まなかつたこの町でうすきみどりの沓にはきかへ


/ 笹原玉子  歌集『偶然、この官能的な』(書肆侃々房、2020年)

https://twitter.com/


推薦した人: https://twitter.com/rim0910

コメント: 「生まなかつた」という言葉によって、いま「この町」にいることより、以前はここにいなかったというほうへ意識が引っ張られる。存在しているにも関わらず不在の名残が感じられ、「うすきみどりの沓」も実体としてあるのに、なんだか儚く思えてくる。とても文学的で好きな短歌。



#65

刺されない寂しさを言う物置の「黒ひげ危機一髪」の黒ひげ


/ 笹公人  総合誌「短歌研究」2021年5月号

https://twitter.com/sasashihan


推薦した人: https://twitter.com/Tohakumutun5057

コメント: 結社に入るにあたり、どの先生につくか短歌研究を読んで検討していましたが、この歌で笹先生につくことに決めました❗️「黒ひげ危機一髪」の黒ひげ人形に寂しさを語らせるのがユーモラスであり、集団ゲームもされなくなったコロナ禍の寂しさがあとでじわじわやってくる歌です。



#66

いっしんに光りつづけた月の語彙、ではなくビスケットをあげました


/ 笹川諒  歌集『水の聖歌隊』(書肆侃侃房、2021年)

https://twitter.com/ryosasa_river


推薦した人: https://twitter.com/madobenoumibe



#67

でも日々は相場を知らない露天商みたいな横顔をふと見せる


/ 笹川諒  歌集『水の聖歌隊』(書肆侃侃房、2021年)

https://twitter.com/ryosasa_river


推薦した人: https://twitter.com/toron0503

コメント: 「でも」ではじまる導入、相場を知らない露天商、「日々」それ自体が横顔を持っているという洞察。フレーズのどこで切ってみてもかっこ良さがあり、比喩としても新鮮です。けれどそれでいて、今この日々が「相場を知らない露天商」のような無垢で無知な側面があることに何故だか納得してしまう、今年の読んだ歌のなかで非常に印象深い短歌です。



#68

優しさは傷つきやすさでもあると気付いて、ずっと水の聖歌隊


/ 笹川諒  歌集『水の聖歌隊』(書肆侃侃房、2021年)

https://twitter.com/ryosasa_river


推薦した人: https://twitter.com/madobenoumibe



#69

歯を磨くたびにあなたを発つ夜汽車その一両を思うのでした


/ 笹川諒  歌集『水の聖歌隊』(書肆侃侃房、2021年)

https://twitter.com/ryosasa_river


推薦した人: https://twitter.com/madobenoumibe

コメント: 今年は、笹川諒さんに出逢わせてくれたことを感謝します。



#70

この午後を十個のミントの飴にしてほんとにさみしい日にだけなめる


/ 笹谷潤子  歌集『海ひめ山ひめ』(本阿弥書店、2003年 )

https://twitter.com/


推薦した人: https://twitter.com/FGK452_1Ty

コメント: たとえ十等分に割ったとしても、なお幸福な時間がその午後には流れていたんだな、と伝わってくる。さみしい日に舐めることも、舐めてしまったら結果としてスっとするミント味という味のチョイスも切なくなりました。十等分にしたことでミント味になったのか、最初からミント味だったのか、それは分からないけれど。それでも、「戻りたいあの時」を飴に出来たらきっと舐めてしまうと思う。



#71

永遠にあなたを祝う造花から救いに来たよ外は寒いよ


/ 三浦くもり  2021年10月18日 Twitter https://twitter.com/miurakumori/status/1450056408624365569

https://twitter.com/miurakumori


推薦した人: https://twitter.com/TathandlungS

コメント: 外に出ることもできず、ふらふらと死の方へ向かってしまうような時期も、長い人生にはあると思います。周りから死を考えること自体を責められたり、否定されることもあります。(必ずしも悪意ではなく、人の考えは多様だから)そんなとき、「永遠にあなたを祝う造花から救いに来たよ」これ程やさしい手の差し伸べ方があるでしょうか。死ぬことも否定しない、外が寒いことは変わらない。けれど、手を取って一緒に歩みだしていける希望のイメージを強く感じました。友人が死にそうなとき、こんな風に希望を与えられる存在になりたいです。手の届くところに希望があるかもしれないと感じさせてくれる、素敵な短歌でした。



#72

いつのことだっただろうか坂道が樫の木が空が比喩だったのは


/ 三枝昂之  総合誌『角川短歌』2021年11月号


推薦した人: https://twitter.com/funifuniya



#73

手の甲にしょうゆと書けば書くときのわずかな痛みごと忘れない


/ 山階基  歌集『風にあたる』(短歌研究社、2019年)

https://twitter.com/chikaiuchini


推薦した人: https://twitter.com/hicrown



#74

ゆるやかな帰路を急いでふりかえるたびに花火が視界を埋める


/ 山階基  歌集『風にあたる』(短歌研究社、2019年)

https://twitter.com/chikaiuchini


推薦した人: https://twitter.com/kimura_tanka



#75

もういちど始めるできるこんにちは生きて帰ってきた女の子


/ 山川藍  歌集『いらっしゃい』(KADOKAWA、2018年)

https://twitter.com/


推薦した人: リンゾ

コメント: 今年の小田急線での事件で、女性が幸せそうにしていることが許せない、と感じるひとがいることを知った。怖かったし、悲しかった。ジェンダーについて知る中で、今まで見逃していたもの、見ないふりをしておこうと思っていた不快感や怯懦が鮮明に見えてきていた。わたしだけではなく、女性として生まれたから、その人がその人として存在しているから傷つけられることが、もう起こらないでほしかった。笠木拓さんのツイートを通してこの歌を知った。一見明確なメッセージが述べられているようには見えない。でも、「女の子」は「生きて帰ってきた女の子」で、主体は、わたしは、彼女にこんにちはを言う。もう一度始めるのだ、ということから、山川さんは目をそらさなかった。ともすればなかったことにされることをまなざす時、事実のたしかな手触りを感じ、それはほんとうにあったのだと強く訴えてくることがある。全ての事実と付随する感情がこの歌に痛烈な存在感を与え、「生きて帰ってきた女の子」に手をのべていた。



#76

片方を「間違い」と決める権力が間違い探しの前提条件


/ 指  2021年6月6日 Twitter https://twitter.com/digital_usagi/status/1402294213014786052?s=21

https://twitter.com/


推薦した人: https://twitter.com/withoutSSRI



#77

口づけの最初の記憶が膝だった浴槽のなか湿ってる膝


/ 寺井奈緒美  歌集『アーのようなカー』(書肆侃侃房、2019年)

https://twitter.com/


推薦した人: https://twitter.com/__anoi__

コメント: 質感がすごい。圧倒的に一人であることを突きつけてくる。



#78

手を高く振り上げてからあなたの言うさよならの奥にある製鉄所


/ 篠原  第六回まいつき短歌祭 テーマ詠『炎』

https://twitter.com/


推薦した人: https://twitter.com/sunamerinikki

コメント: 今年、なんども思い出した思い入れの深い作品です。火や炎を詠うとき、この短歌が立ちはだかってくるような、そんな気さえしています。これからもずっと思い出していくであろう作品。年の最後に皆さんにも知って欲しいと思い、この歌を「推したい短歌2021」にて推させていただきます。



#79

優しさは免罪符だと知っているきみの白夜になりたいのです


/ 若杉有紀  同人誌「自由研究」

https://twitter.com/May_Rock_2096


推薦した人: https://twitter.com/kuroinogaboku



#80

コーヒーがおかわり自由の店にいて落ち葉のようにたらればが降る


/ 小宮子々  うたの日 題「たられば」

https://twitter.com/


推薦した人: https://twitter.com/autumn_o_tcbn

コメント: 薔薇の日botで流れてきて、読んだ瞬間に心掴まれました。「落ち葉のようにたらればが降る」、なんて素敵な表現だろう!おかわり自由の選べる気軽さともう選べない過去であるたらればとの対比、そのたらればを落ち葉のように傍観者として眺めている様子、そして、選ばなかった未来としてのたらればを語る相手が各々存在してる現在の静かな幸福感も、全部素敵だなと思った1首です。



#81

しろがねの色にひかりて冬の夜の大観覧車呼吸してをり


/ 小野りす  2021年12月1日 うたの日 題「冬」 http://utanohi.everyday.jp/open.php?no=2802h&id=18

https://twitter.com/risukimidori


推薦した人: https://twitter.com/xi_zhen_ivUT

コメント: 冬を巨大な有機的な存在として改めて感じさせる、力に満ちた歌だと思います。



#82

おやすみなさい。寝ているうちに死ぬ人もよい一生でありましたように。


/ 松木秀  Twitter 2020/06/18 https://twitter.com/reracise1972/status/1273603709612646400?s=21

https://twitter.com/reracise1972


推薦した人: https://twitter.com/mchkhrk

コメント: 私の心を静かにしてくれる、祈りのような言葉です。



#83

ウェルニッケ野に火を放てそののちの焦土をわれらはるばると征く


/ 松野志保  歌集『われらの狩りの掟』(ふらんす堂、2021年)

https://twitter.com/matsuno_shiho


推薦した人: dog_muzzle

コメント: 初めて読んだ時に衝撃を受けた。ウェルニッケ野は脳の中でも音声言語を理解するための部分である。そこに火を放つということは、他人の言葉など無視してしまえという決意のようなものがあるのではないか。読んでからしばらく「われら」の関係性とはなんなのかと想像に耽ってしまった。あえて「征く」という漢字を当てていることも、常識や現実から遠く離れてふたりで戦っていく姿が思い浮かんだ。



#84

風に髪乱されながら「圏外」の表示見せ合うここが楽園


/ 松野志保  歌集『われらの狩りの掟』(ふらんす堂、2021年)

https://twitter.com/


推薦した人: https://twitter.com/enomotoyumi1007



#85

道に散る金木犀は秋の罠 ひとを留める柔やわいまきびし


/ 真夏日  2021年10月07日 うたの日 題「忍者」

https://twitter.com/3OdegCorhigher


推薦した人: https://twitter.com/ume_dori

コメント: 今までそんな風に思ったことがなかったのに、そうとしか思えない感覚になった。バラバラと下に散っている金木犀の花はまさにまきびしのようであり、そこで人は立ち止まり匂いに心を奪われる。なんて素敵な忍者なのだろう。



#86

決着のつかぬ話は諦めて他の全ての話を すごく


/ 瀬口真司  短歌ムック「ねむらない樹vol.6」

https://twitter.com/


推薦した人: https://twitter.com/WataruDeerMura

コメント: 1字空けからの「すごく」がカッコいい



#87

ひたぶるに躑躅の蜜を吸ふ君よその父親の口吸ひのやう


/ 晴れ女  2021年04月27日 うたの日 題「唇」http://utanohi.everyday.jp/open.php?no=2584f#f20210427039

https://twitter.com/amanojyaku0808


推薦した人: https://twitter.com/toron0503

コメント: この比喩が出てきたことがまずすごいな、と思うのですが、「君」を見ている主体はいったいどういう関係なのかをイメージするとどうあれど不穏なイメージにいきついてしまう。嫌な感じを出すのがすごく上手く、記憶にこびりついてしまう感じでした。また「ひたすらに」ではなく「ひたぶるに」、「吸飲み」ではなく「口吸い」という呼称を選んだことで、よりいっそう生々しさを加味できていると感じました。言葉の選び方にセンスがあり、今年注目していた作者です。



#88

とめどなくゆふやみ洩るる樹下にゐて私はいつか私を許す


/ 西巻真  歌集『ダスビダーニャ』(明眸社、2021年)

https://twitter.com/cocoatalk4


推薦した人: https://twitter.com/gesshodo

コメント: 静かな諦観が美しく表現されていると思いました。



#89

生きよ、ただ生き延びよ泥沼に這ひつくばひて生きよ、そしてただ書け


/ 西巻真  歌集『ダスビダーニャ』(明眸社、2021年)

https://twitter.com/cocoatalk4


推薦した人: https://twitter.com/Tohakumutun5057

コメント: 夜勤中にTwitterにて紹介され、衝撃を受けました。うだつの上がらない自分を励ましているような歌で、僕も結社で、職場で這いつくばってきた自分の歌を詠みました。落ち込んだりした時に読んで元気のでる歌です。



#90

短歌、これくらいでいいですか?こっちも忙しいんで……

おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃって生きてたらはちゃめちゃに光ってる夏の海


/ 青松輝  同人誌「第三滑走路」7号

https://twitter.com/_vetechu


推薦した人: https://twitter.com/h_amui

コメント: おりゃおりゃと生きてたら、やっぱり海は光るのだ/光っていいよなと思います。今年はこの歌にたくさん助けてもらいました。作者の青松さんのこの歌に関するブログもとても良かったです。https://vetechu.hatenablog.com/entry/2021/04/27/220848



#91

お互いの中に佇む神様に一度参拝してからのキス


/ 青藤木葉  短歌同人誌『ジョナタン』

https://twitter.com/konoha__ao


推薦した人: https://twitter.com/a__suuu



#92

あいたいとせつないを足して2で割ればつまりあなたはたいせつだった


/ 千原こはぎ  歌集『ちるとしふと』(書肆侃侃房、2018年)

https://twitter.com/kohagi_tw


推薦した人: https://twitter.com/konoha__ao

コメント: 私が短歌を始めたきっかけの歌です。



#93

沈黙へつぎつぎ意味の絡まってそれは蔓だらけのゴリアテになる


/ 千種創一  総合誌「短歌研究」2021年9月号 作品連載30首「晩安、親愛的」

https://twitter.com/chigusasoichi


推薦した人: https://twitter.com/yuya_yuki_tanka

コメント: 自分なのか、それとも他者の沈黙なのか気になった。どんどん後付けされて元の意味が見えなくなって、がんじがらめになりながら虚構を生み出してゆくようで怖くなった。



#94

すすきほを秋のしっぽと思うとき何万という秋ひるがえる


/ 千種創一  歌集『千夜曳獏』‎青磁社 2020年5月25日発行

https://twitter.com/chigusasoichi


推薦した人: https://twitter.com/grp4grp

コメント: 目の前にぶわっと景色が広がった。そういう視点があるのか!と驚き、好きになった歌。



#95

告白は100パーセント駄目だろう けど0パーに俺は賭けるぜ


/ 川島薪  本人Twitter 2021/2/18

https://twitter.com/


推薦した人: https://twitter.com/onborn6



#96

海に沿ひ北へと走る羽越線ワンカップへと陽は沈みゆく


/ 蒼音  2021年3月6日うたの日「線」

https://twitter.com/chari433


推薦した人: https://twitter.com/kame073

コメント: 車窓からワンカップ越しにみる日本海というなんとも素敵な情景が印象に残ったので。



#97

月影があなたの頬を覆うとき作法のごときくちづけをせり


/ 蒼音  2021年3月5日うたの日

https://twitter.com/chari433


推薦した人: https://twitter.com/kame073

コメント: 上の句の月影があなたの頬を覆うという比喩にロマンチックだなぁと思っていたら作法のごときくちづけをで生真面目さを感じてしまいギャップにやられました。



#98

舌先が唇の淵へと触れにしにあまねきこゑをきみはうしなふ


/ 蒼音  うたそら2021年3月1号

https://twitter.com/chari433


推薦した人: https://twitter.com/kame073

コメント: 最初に読んだときの第一印象が衝撃的でした。文語なのに「紗のかかったような色っぽさ」ってこういうことをいうのだろうと思いました。



#99

みづうみのやうなシーツにまはだかのきみが体育座りの五月


/ 太田宣子  2021年5月12日 うたの日 題「体」 http://utanohi.everyday.jp/open.php?no=2599g&id=26

https://twitter.com/


推薦した人: https://twitter.com/negototoshi

コメント: こんなにもうつくしい体育座りと五月があるなんて。ずっと眺めていたくなる絵のような歌です。



#100

遠花火わたしの奥にも戦争が立つてゐるから抱きしめないで


/ 太田宣子  2021年2月24日(水)うたの日 題「奥」http://utanohi.everyday.jp/open.php?no=2522g#g20210224036

https://twitter.com/


推薦した人: https://twitter.com/nogawatomok

コメント: 状況はまったく分からないのに、燃えるような心象風景と哀切がひしひしと伝わってくる一首です。袴田朱夏さんの評が素晴らしいのでぜひサイトでお読みください。私にとっては力ずくで旧語への抵抗感を取り去ってくれた歌であり、二度と短歌なんか詠まなくていいと思わされる歌でもあります。



#101

ギロチンがギロチンの子を産む夢のなかでわたしは助産婦だった


/ 大森静佳  総合誌「短歌研究」2021年8月号

https://twitter.com/


推薦した人: https://twitter.com/hitonosulab

コメント: この歌が心に残った理由はこちらに載せています。

https://note.com/hitonosulab/n/n9b75533ce7ce?magazine_key=mba037c08eb7e



#102

怒りは人を守るだろうが 石鹸の吊り紐が夜の灯に揺れている


/ 大森静佳  歌集『てのひらを燃やす』

https://twitter.com/


推薦した人: https://twitter.com/nakamurarobot



#103

この海は淋しくないね瀬戸内に生まれた君は島を数える


/ 大谷正世  NHKラジオ「文芸選評」7月24日放送回

https://twitter.com/andbooks0701


推薦した人: https://twitter.com/kuroinogaboku



#104

諦めて 声が盲いてしまったら空を裂くしかない稲光


/ 第二灯台守  2021年12月2日 うたの日 題「盲」

https://twitter.com/2nd_lightkeeper


推薦した人: https://twitter.com/bis4bxmxtxh

コメント: 空気への投げ掛け。誰かに語る事も無く、自分に諭す事も無く。情報の閉塞。受け取る事も送り出す事も最も慣れ親しんだ手立てを喪ってしまったのなら、激しく音を立てても、眩しく光を発しても、何処にも落ちる事は無く、届く事も無い。それでもずっと鳴り続ける、内側では。



#105

かわいいと言われる前に脱ぐことでかわいいパンツの誇りを守る


/ 第二灯台守  2021年8月2日 うたの日 題「パンツ」

https://twitter.com/2nd_lightkeeper


推薦した人: https://twitter.com/bis4bxmxtxh

コメント: 目の前に居る自分だけを見てほしい。だから余計な事に気を回さないでほしい。けれど事実としてそれはかわいい。気高い。そして自分が選んだ。それを自分の感情が否定する事は許せない。同時に、踏み込ませても理解までは求めない。発されたかわいいの意味が自分と同じとは限らないから。



#106

ドンキとかビレバンとかで買えますよインスタントの狂気だったら


/ 第二灯台守  2021年9月23日 うたの日 題「クレイジー」

https://twitter.com/2nd_lightkeeper


推薦した人: https://twitter.com/bis4bxmxtxh

コメント: 何かに狂いたいならパーティに参加すれば良い。何も持っていなくても簡単に手に入れる事なんか出来る。思案も思索も、狂いたいと思っている人間には必要の無いもの。けれど気を付けなければならない、そこにはインスタントの凶器もある事を。



#107

好きすぎて 愛してくれなきゃ撃つぞって、脅したあとに撃っちゃうだろうな


/ 短歌練習  #恋愛短歌同好会 2021年11月分④ Twitter https://twitter.com/tathandlungs/status/1462047685200863232?s=21

https://twitter.com/TathandlungS


推薦した人: https://twitter.com/withoutSSRI



#-

(歌の重複のため欠番です。ご指摘ありがとうございました。)



#109

手のひらを空にかざして傘の無いひとほど空を見上げているね


/ 長井めも  2021年4月11日東京新聞 東京歌壇 東直子特選二席

https://twitter.com/longmemo_tanka


推薦した人: https://twitter.com/tankanosio

コメント: 一読してハッとさせられたこと、雨雲のくらさと裏腹な、ポジティブな調子がなんとも魅力的でした。その一方で、すこし芒洋とした結句に不思議な味わいがあり、何度も読み直してしまいます。発見の短歌として、今年最も強く印象に残った短歌です。



#110

透明は在ると信じるための色 振り向くような風に吹かれて


/ 塚原康介  総合誌「角川短歌」 2021年11月号

https://twitter.com/tsukahara_tanka


推薦した人: https://twitter.com/k_hayatsuki

コメント: 見えないけれどそこにある”というのはこれまでも色々な形で表現されてきている感覚かと思いますが、この歌の上句の能動的に信じようとする強さにグッときました。下句のさらりとした感じとの対比も好きです。



#111

ひとつずつ図鑑で草花おぼえてく無神論者の初夏の祈りは


/ 展翅零  個人誌『展望』

https://twitter.com/Attacusatla


推薦した人: https://twitter.com/rim0910

コメント: 神様を信じていなくても、何気ない行為にも、自分のための祈りを見いだしていいと言われているような気がして救われる。



#112

鯖缶に温玉、刻みネギを載せいたしかたなく居酒屋たむら


/ 田村元  歌集『昼の月』(いりの舎、2021年)

https://twitter.com/tamurahjm


推薦した人: https://twitter.com/wakuwakuiwaku

コメント: いたしかたないことがたくさんの年でしたが、そんな中でも楽しもうとする主体の心が好きです。そして美味しそうです。



#113

ガス圧を誤り爆発四散した鯨の事故がメールにて来る


/ 田中翠香  総合誌「角川短歌」2021年12月号『幻獣、鯨、その他』

https://twitter.com/suikakinenbi


推薦した人: https://twitter.com/midiumdog

コメント: 30首の連作全体に描写される架空の動物の解体と思しき工場の光景。一方でリアルな正社員と派遣の分断も描かれている。ガルシア・マルケスの『族長の秋』が繰り返し詠まれ、この連作がマジックリアリズムの手法が用いられていることに気づく。傑作。



#114

多摩川に さらす手作り さらさらに 何そこの児の ここだかなしき


/ 東歌  万葉集

https://twitter.com/


推薦した人: https://twitter.com/36_q54

コメント: 胸が締め付けられるほどに愛おしい気持ちがリズム感で表現されていて、(恋歌の解釈もあることは承知していますが)今年生まれたわが子を抱っこしているとこの歌を思い出します。



#115

いつかいつか羞(やさ)しいあなたを立たせたい老衰という眩しい水際


/ 道券はな  総合誌「角川短歌」2020年11月号「嵌めてください」

https://twitter.com/


推薦した人: https://twitter.com/biwatoitoi

コメント: 昨年選ばれていた「椅子として生まれたかったがたついてあなたに布を嚙ませてもらう」(同作者/同連作)と対になる歌だと私は思っている。老いた椅子の私に布を嚙ませてくれるあなたと、あなたを(死に攫われることなく)老衰まで連れて行きたい主体。どちらも主体の願望でありながら「あなた」がどんな人間なのかが伝わる描写であることがこれらの歌の魅力だと感じた。



#116

NASAからは一番遠いこの村が星に一番近いと思う


/ 梅鶏  2021/06/26うたの日 題「NASA」http://utanohi.everyday.jp/open.php?no=2644g#g20210626005

https://twitter.com/ume_dori


推薦した人: https://twitter.com/mnr_nimo

コメント: 「NASA」と関係のない、遠い位置関係にある「村」を対比させることで、満天の星空を眼前に突きつけられるような印象があります。「村の星」だけでは弱かったかもしれない景に、「NASA」が加わることでスケールの大きい歌になっていて素晴らしいと思いました。



#117

肩車する児は「つき」へ行けと言う今を逃せば行けないだろう


/ 尾内甲太郎  第33回葉桜短歌賞

https://twitter.com/onaikotaro


推薦した人: https://twitter.com/funifuniya



#118

スキミングされるカードの大群がすかいすかいと流される川


/ 府田確  ネットプリント「風速」3m/s

https://twitter.com/F_Fandian


推薦した人: https://twitter.com/WataruDeerMura

コメント: すごい擬態語が現れたな…



#119

母さんが香りを織るとつけた名が私の触れた最初の詩です


/ 桝枯井戸  短歌×写真のフリーペーパー「うたらば」2021.04 Vol.29

https://twitter.com/


推薦した人: https://twitter.com/kuroinogaboku



#120

椿、椿、首がもげたと聞いたけど、好きな人とはうまくいってる?


/ 無  2021年1月7日(木)うたの日 題「椿」http://utanohi.everyday.jp/open.php?no=2474f#f20210107037

https://twitter.com/naknar32


推薦した人: https://twitter.com/nogawatomoki

コメント: 自由で、キュートで、クラシカルで、濃密に死が薫る。羨ましくなるような一首。



#121

好きでしたですがでしたになるまでの日々をあなたに聞いてほしいな


/ 木下侑介  歌集『君が走っていったんだろう』(書肆侃侃房、2021年)

https://twitter.com/kinoyukke


推薦した人: https://twitter.com/hicrown



#122

胱という字の美しさ満月のひかりはわたしのなかにもめぐる


/ 木村槿  2021.8.29 東京歌壇 東直子選

https://twitter.com/kimura_tanka


推薦した人: https://twitter.com/2xylocaine

コメント: 仕事柄「胱」という字を何千回と見てきましたが、まだ知らなかった新しい視点に気づかせてもらいました。



#123

切り口は花瓶の底に触れてゐてスイートピーのたもつ直線


/ 門脇篤史  同人誌「西瓜」創刊号

https://twitter.com/508atsu


推薦した人: https://twitter.com/smrntr



#124

伝言のように季節は捻じ曲がり会いたい人がまだ割といる


/ 夜夜中さりとて  歌集『ホーボー・サイン』2021年

https://twitter.com/yorusari


推薦した人: https://twitter.com/a__suuu



#125

溢れる前に熱さでわかる嬉し泣き、それとほとんど近い青空


/ 夜夜中さりとて  歌集『ホーボー・サイン』2021年

https://twitter.com/yorusari


推薦した人: https://twitter.com/_kco____

コメント: 青空を見た時に込み上げる感情を何て形容したら良いのかずっと分からないままでしたが、これが答えだと思いました。とても好きです。



#126

マニキュアを乾かすために観始めた映画で人がものすごく死ぬ


/ 夜夜中さりとて  歌集『ホーボー・サイン』2021年

https://twitter.com/yorusari


推薦した人: https://twitter.com/__anoi__

コメント: 時間経過の表し方が美しいです。美しいし、明確です。こんな表現したくて悔しい。



#127

それからは火薬の肌で衣ずれも嘘も火の粉のように愛した


/ 野川  2021年5月18日 うたの日 題『不倫』 http://utanohi.everyday.jp/open.php?no=2605f&id=10

https://twitter.com/nogawatomoki


推薦した人: https://twitter.com/grp4grp

コメント: とても好きな歌です。堪えきれない熱情にうかされているような熱さに焦がされました。



#128

何もない部屋に差しこむ陽光をぼくの栞にドアを閉じます


/ 野川  『 陽 』うたの日 http://utanohi.everyday.jp/open.php?no=2614i&id=12

https://twitter.com/nogawatomoki


推薦した人: https://twitter.com/xHksbNR4wv1wj8M



#129

フロマージュひとくちわけて微笑みぬ 唇いつも憧憬の丘


/ 野田かおり  歌集『風を待つ日の』(青磁社、2021年)

https://twitter.com/


推薦した人: https://twitter.com/198hitomosi



#130

みずうみの問いのすべてにうつくしい○(まる)を重ねてゆく雨の解


/ 林あかり  2021年11月10日 うたの日 題「自由詠」 http://utanohi.everyday.jp/open.php?no=2781h&id=26

https://twitter.com/negototoshi


推薦した人: https://twitter.com/TathandlungS

コメント: これまでの生涯で読んだ短歌のなかで最もうつくしい一首でした。静かに問うているみずうみ。肯定として降りそそぐ雨。みずうみは何を問うているのだろう。それはわからないですが、「存在することは問うことである」という感覚が、漠然と心のなかにあります。たぶん存在するものはすべて、その水面になにかを映し問い掛け続けるみずうみなのだと思います。描かれた情景の美しさとともに、すべてを肯定してゆく愛のイメージを強く感じました。生涯ベスト短歌です。



#131

足裏でふれると犬はささやかな机のしたの草原になる


/ 林あかり  2021年7月13日 うたの日 題 「机」http://utanohi.everyday.jp/open.php?no=2661h&id=3

https://twitter.com/negototoshi


推薦した人: https://twitter.com/nalda_aa



#132

今日僕は環状線をニ周して遠心力で東京を去る


/ 六弦  『 状 』うたの日 http://utanohi.everyday.jp/open.php?no=2560g&id=11

https://twitter.com/


推薦した人: https://twitter.com/xHksbNR4wv1wj8M



#133

ラブアンドピース掲げる政治家に檸檬をかけた唐揚げあげる


/ 和三盆  2018/11/20 Twitterより

https://twitter.com/mnr_nimo


推薦した人: https://twitter.com/abggg_d



#134

向日葵が揺れているのは錯覚できみが笑っているだけだった


/ 和三盆  第44回恋愛短歌同好会

https://twitter.com/mnr_nimo


推薦した人: https://twitter.com/onborn6



#135

わたくしとゐれば父にはなれぬのにきみはやさしく無花果を剥く


/ 朧(ろう)  2021年10月10日 うたの日 題『 自由詠 』

https://twitter.com/rou_tanka


推薦した人: https://twitter.com/InAn_erotica

コメント: 同じテーマで沢山の素敵なお歌を詠まれてますが、この一首はとりわけ優しくて切なくて、あらゆる立場の人にスッと訴えかけるだろう…と思えます。大好きです。



#136

日本といふ金魚が飼はれてゐるのだよ0(スタジアム)には雨水満ちて


/ 澤村斉美  総合誌「角川短歌」2021年7月号「紫陽花と金魚」


推薦した人: https://twitter.com/midiumdog

コメント: 澤村斉美さんの『紫陽花と金魚』がすばらしかった|中型犬 https://note.com/midiumdog/n/nebff5c23ca98


推薦者からの告知メッセージ



にゅう短歌賞の参加者を募集しています。既発表可の30首募集です。詳細はURLをご覧ください。https://note.com/hccmono/n/nf8cb50458519by 新棚のい https://twitter.com/hccmono

2022年もがんばります。本読んでください!!!!!!!!https://booth.pm/ja/items/3349359by あの井 https://twitter.com/hccmono__anoi__

企画に参加させていただきありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。#108短歌で厄祓い2021 というTwitterタグ企画やります。年末の厄祓いに是非ご参加ください。by grp https://twitter.com/grp4grp

noteで短歌とエッセイを書いています。フォローして読んでいただけると嬉しいです。https://note.com/midiumdogby 中型犬 https://twitter.com/midiumdog

今年も来年も過去も未来も鉄道短歌を宜しくお願いします…!by 青時(青水時)



推したい短歌2021に参加いただきましてありがとうございました。たくさんの良い歌に出会えてうれしかったです!!2022年、みなさまにとって良い年になりますように🙏

そしてまた次回の参加をお待ちしております。


推したい短歌2021

Fin.


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